ボクにもわかる地上デジタル - 地デジ設計編 - 回線設計

              (作成:2003年12月)      地デジTopへ戻る
              (更新:2005年03月)

回線設計とは

  回線設計とは、通信の送信から受信までの電力や干渉電力のレベルの推移を
  計算することです。これにより、送信した電波が受信器で正しく受信が出来
  るかどうかを机上で検討することが出来ます。


300W出力時の回線設計(例)(見通し10km)

  下図は、一番上に、放送局の放送出力のレベルが規定されており、レベルの
  推移が順々に列記され、一番下に、受信器のCNR(受信品質)がエクセルによっ
  て計算されています。受信器のCNRは、受信した電波の電力と雑音レベルの差
  によって求まります。地上デジタルの場合、22dB以上が必要ですが、一部、
  20dBでも受信可能となっている資料もあります。

  
  ※数値は参考値であり実際の衛星放送システムと合わない場合があります。

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  下図に衛星デジタル放送の回線設計の一例を示します。図中の左の列は信号
  レベル変動の要因となる項目、中央の列は信号レベル、右の列は雑音に関す
  る項目を示しています。中央の列から右の列に渡って信号レベルと雑音レベ
  ルの差、すなわち信号品質CNRを示しています。
  最上部中央の「放送出力レベル」で放送された放送波はその左下以降に続く
  「自由空間損失」などの影響で信号レベルが弱まり、LNBで増幅され、家
  庭内の受信システムなどを通って最下部の「チューナ受信CNR」の受信品質を
  得ます。
   
  ※数値は参考値であり実際の衛星放送システムと合わない場合があります。

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実効輻射電力(ERP,EIRP)

  上表の「放送出力」にアンテナ利得を加算したものを実効輻射電力と呼びま
  す。実効輻射電力はダイポールアンテナ利得[dBd]の場合はERP、絶対利得の
  場合はEIRPと呼んでいます。上表では「実効輻射電力」のことをANT放射出力
  と表示しており、電界強度と出力電力[dBm(EIRP)]で表示しています。
  一般に、回線設計ではアンテナ利得を絶対利得で考えますので、EIRPを
  使用し、単位には[dBm]を使用します。しかし、設備の認証や商品仕様では
  実効輻射電力ERP、単位[W]で表し、アンテナ利得もダイポール利得の[dBd]
  で表します。
  一般的には、ERP,[W],[dBd]で表示されていますが、設計情報ではERIP,[dBm]
  [dBi]を使用することが多いので、相互の違いや変換に慣れておく必要があ
  ります。

エクセルシートの活用

  このような回線設計の計算にはエクセルシートが便利です。

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  地上デジタル回線設計エクセルシート

  放送の送信所からの出力をアンテナで受信してチューナに入力される電力と、
  熱雑音およびチューナの雑音指数によるCN比によって、電波が受信可能か
  どうかを計算しています。

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関連ページ

  基礎編 - 電波伝搬    自由空間損失 大地反射波

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