SDHC(SD High Capacity)メモリーカードは、従来のSDカードの上限容量だった2GBを超える32GBの容量を実現することが可能なったSDメモリーカードの規格です。SDメモリーカードVer2.00とも呼ばれています。従来のSDカードと形状は変わりませんが、SDHCメモリーカードに対応した機器でしか読み書き(録画再生)が出来ません。 |
SDXC(SD eXtended Capacity)メモリーカードは、従来のSDカードの上限の3GBや、SDHCカードの32GBを超える2TB(2000GB)の容量を実現することが可能なSDメモリーカードです。従来のSDカードやSDHCカードと形状は変わりませんが、SDXCメモリーカードに対応した機器でしか読み書き(録画再生)が出来ません。2009年の1月に規格化されました。
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AVCHD(Advanced Video Codec High Definition)規格とはハイビジョン映像(HD映像)をDVDやSDHC等に保存するための記録方式で、2006年5月にPanasonicとSONYが基本仕様を策定しました。
既に、CanonがAVCHD規格に賛同しており、Adobeを始めとする編集ソフトベンダーも加わっています。さらに、ビデオカメラを販売していないSHARP、PioneerといったAV機器メーカーが賛同しており、ビデオカメラだけに留まらない幅広い分野への展開が考えられています。 参考文献:http://www.avchd-info.org/
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AVCHDが登場する以前より、地上デジタル放送と同じMPEG2(TS)で記録するHDV方式があります。HDV方式は現時点で普及しており、HDV対応のi.Linkを使ってハイビジョンレコーダーへのダビングが出来る点やレコーダー側で編集が出来る点で便利ですが、ダビング速度は等速となり、ダビングする映像と同じ時間がかかります。
御注意:AVCHD方式で記録したDVDを従来のAVCHD非対応の機器へ入れると故障の原因となる場合があります。 映像符号化方式のMPEG4-AVCは、H.264とも呼ばれており、携帯電話で使用しているMPEG4とは異なる方式です。 MPEG4-AVCに関する情報:「方式編-動画圧縮符号化」 |
SDHCメモリーカードではAVCHDのような映像ファイルを取り扱う為、転送速度も重要になってきます。また、パソコンやデジカメではメモリーカードでの最高速度が重視されていましたが、映像ファイルでは常に使用するAVCHDの転送速度を上回っている必要がありますので、カードの最低速度が重視されるようになります。そこで、SDHCメモリーカードの最低速度[MB/sec]をクラス表示することになりました。なお、クラス表示はSDHCロゴの近くに表示することが定められています。
また、カード内のメモリーの断片化によって書き込み速度が低下しないように、機器が必要な転送速度が維持できる部分にのみ書き込みを行なうような制御がされています。 |
現在、音楽や映像を収録したCDソフトやDVDソフト、Blu-rayディスクのソフトに変わって、フラッシュメモリなどに収録したソフトも登場しています。今のところ、試験的な位置づけのものが多く、形態もUSBメモリやmicro SDカードなどと様々です。記録される音楽や映像の品質についても、携帯向けの低画質なものから、高音質な24bitオーディオで収録したものなど様々です。 2009年の夏ごろから登場し始めた携帯電話に向けたmicro SDタイプが主流になりつつあり、Blu-rayソフトとは位置づけが異なります。記録フォーマットはSD-VIDEO形式が主流で、映像フォーマットは H.264 / MPEG-4 AVCのBP(ベースプロファイル)方式が用いられています。 Blu-rayに用いられているH.264 / MPEG-4 AVCと基本フォーマットは同じですが、Blu-rayではMP(メインプロファイル)が使用されているのに対して、micro SDではBP(ベースプロファイル)とよばれる主にワンセグなどの携帯機器向けの低品質な記録方式が用いられています。 |
2007年04月現在のAVCHDの記録に対応した製品は、一部のハイビジョンカメラのみです。再生に対応した製品は、一部のBlu-rayレコーダーと一部のプラズマテレビ、そして、プレーステーション3です。今のところはAVCHD規格を策定したPanasonicとSONYの製品しか出ていない状況です。 Blu-rayレコーダーでの再生対応が可能になったのは、BD-ROM(Blu-rayビデオ)で使われているBDMV規格がAVCHD規格の下位互換性があるからだと思います。というのは、AVCHD形式のフォルダ構造が「PRIVATE/AVCHD/BDMV/STREAM」となっていて、「BDMV」以下がBlu-rayと同様の構造になっているからです。 |
2007年04月現在に発売されている主なハイビジョンビデオカメラ(家庭用コンパクトサイズ)は以下のとおりです。(スペースの都合で全機種は表示していません。)
記録容量=標準的なメディアに高画質記録した場合の録画可能時間[分]
電池容量=標準(付属)バッテリーと液晶モニターでの実撮影持続時間[分] 使用質量=標準(付属)バッテリーと標準的なメディアを含む質量[g] |
これまでハイビジョンビデオカメラはSONYのHDV方式が牽引してきました。このため、現在の多くのハイビジョンレコーダー(SONY、SHARP、Panasonic)がHDV端子を搭載しておりハイビジョン映像をレコーダーにダビングすることが出来ます。また、レコーダーにダビングされた映像は他の録画番組と同様に編集したりDVDやBlu-rayディスクにコピーすることも出来ます。 一方のAVCHDについては、新しい方式であり、一時は機能制限がありました。しかし、2007年11月に発売されたPanasonicのDMR-BW700,800,900では、ダビングしたAVCHDの簡易編集が出来るようになり、以降も改良されています。 したがって、例えば、お子様の成長記録などは将来にわたって末永く活用したい映像ですので、AVCHD対応製品が適していると思います。 |
AVCRECとは、blu-rayディスクの規格団体「Blu-ray Disc Association」が策定した、DVD等へのハイビジョン記録を可能にする規格です。AVCHDは、BD-ROM(Blu-rayビデオ)の記録方式であるBDMVをSDHCやDVDに適応したものでしたが、AVCRECはBD-RE(録画用Blu-ray)の記録方式であるBDAVをDVDに適応したものになります。それぞれの記録方式を下表にまとめました。
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Panasonicではデジタル家電用のチップセットとライブラリを統合したプラットフォームUniPhierを開発しています。このプラットフォームはレコーダのみではなく携帯電話やビデオカメラ、テレビといったあらゆるデジタル家電に搭載されます。もちろん、全てが同じプロセッサで実現するわけではなく、商品分野ごとアーキテクチャを変えています。 このプラットフォームを最初にリリースしたのはパーソナルAV用のアーキテクチャで、同社のビデオカメラSDR-S100にて採用されています。 また、ホームAV用では、UniPhierの開発当初よりMPEG4-AVC(H.264)の再生をサポートすることを明言していました。2007年11月に発売されたハイビジョンレコーダーには、世界初の45nmの超微細プロセスで生産されたUniPhierチップPH1-ProIIを搭載し、MPEG4-AVCの録画に対応しています。 ただし、Blu-rayレコーダDMR-BW800では、UniPhierに加えてMarvell社のフルHDビデオスケール変換器が搭載されています。UniPhierだけでもフルHD映像を2画面まで同時処理できるのですが、例えば、エンコード録画中のフルHD再生といった負荷の重い処理中に、UniPhierチップだけでは1024pフルHD変換を行う能力が不足しているために追加されたものと思われます。 |
現在、メモリーカードは様々な商品に搭載されていますが、実際の用途としては、主にデジタルカメラ(携帯を含む)の写真撮影用として使われています。デジタルカメラで撮影した写真は、デジタルカメラの小さな画面で楽しむことが目的ではありません。プリントアウトしたり、メール添付したり、中にはアルバムとしてウェブサイトに掲載したりというように、デジタルカメラの「外」で使用することが目的です。つまり、「1台のカメラから複数の機器に情報を運ぶ」のがメモリーカードの最大の役割なのです。 では次に、このデジタルカメラの用途に継ぐメモリーカードの使い方を考えて見ます。例えば、(1)音楽プレーヤはカセットテープ→MDと進化してきました。これらのメディアの役割はレコードやCDの中の楽曲を音楽プレーヤに移すことが目的でした。つまり、基本的には「1台のステレオ機器から1台の音楽プレーヤに情報を運ぶ」のが目的です。この目的を果たす究極の形態は1台の音楽プレーヤに全てのCDを入れておくことであり、iPodの登場によって、メモリーカードの参入する余地は既になくなってしまっています。 他にも、(2)ボイスレコーダのように、本来、デジタルカメラと似た目的を有したものもあります。しかし、ほとんどの場合が写真ほど活用範囲が広く無く、その機器単体で終結してしまいます。 このように考えると、メモリーカードの使い道は、デジタルカメラの動画版である(3)デジタルビデオカメラしか無いことにならないでしょうか。SDHCビデオカメラは、実は、最後の切り札なのです。(Ayuの切り札になるかどうかは分かりません) SDHC以外にもDVD方式やHDD内蔵方式、DVテープ方式(HDV方式)がありますが、DVDは14分(DVD-R DLで26分)しか録画できない上、将来に高容量ディスクが登場しても現在のビデオカメラでは使えない問題があります。 次にHDD内蔵方式ですが、現時点では、あまり支障がありません。しかし、将来的に周辺の機器が出揃ってきた時点で、メディアが取り出せないことが不便になると思います。これは、前述のとおりビデオカメラは、「撮影したビデオカメラ本体で再生する」のが最終目的では無いからです。ビデオカメラのように、撮影した映像を他の機器で再生したり編集やコピーを行なって配布したいような目的の商品は、機器から取り出せる記録媒体であるべきなのです。但し、遠い将来に、携帯電話のようなワイヤレス通信を経由して自宅のハイビジョンレコーダーへのリアルタイム録画が出来るようになれば、記録メディアそのものが完全に役目を失うことになります。 最後のDVテープ方式については、テープに将来性を感じる人は居ないと思います。Panasonicは始めからHDVの開発に取り組んでおらず、同社のBlu-rayレコーダ(DMR-BW200)がHDV入力に対応していることの方が特例と言えるでしょう。なお、Blu-rayレコーダ(DMR-BW200)では、HDVカメラで撮影したHDV方式の映像をi.Link経由でBlu-rayレコーダにコピーして、Blu-rayレコーダ単体での簡易編集(部分消去など)やblu-rayディスクへのコピーも出来ます。これは、HDV方式が地上デジタル放送と同じMPEG2-TS方式で記録されていて、デジタル放送のi.Link(TS)も同じ信号形式のため、i.Link(TS)に対応するだけで(新たなソフトウェアを必要とせずに)容易に実現されるためです。つまり、Blu-rayレコーダにとっては標準画質のDV方式よりも、ハイビジョンにHDV方式する方が簡単なのです。この結果、今すぐにハイビジョン画質での編集と配布を行ないたい場合、SDHCよりもHDVの方が優れていることになってしまいます。ただし、DVテープの余命に限りが見えていることも事実であり、長年に渡っての使用を考えているのでしたら、HDVは避けるべきでしょう。 ところで、デジタルカメラのメモリーカードを「現在」どのようにお使いでしょう。以前は、デジタルカメラで撮影した写真をプリントアウトして、パソコン経由でCD−Rに保存して「メモリーカードを消去して再使用」するといった使い方だったと思います。ところが、最近は、プリントアウト後もメモリーカードから消さずに、メモリーカードの残量が減ってきたら、次のメモリーカードを買うといった使い方も増加しています。メモリーカード容量が、年々、大きくなっていることや、1枚あたり数円しかかからない低価格化がきっかけとなり、メモリーカードは買い足しやすくなっているのです。古いメモリーカードには写真が入ったまま引き出しに眠るのことになるのですが、ふと、そこからすぐにプリントが出来る点や、様々な活用が出来る「記録媒体としての利便性」に気づきます。こうなると、もう、後戻りが出来なくなり、今まで存在にも気づいていなかったメモリーカードのタイトル欄(CFカードの場合)に撮影年月などを記入することになってしまうのです。 つまり、かつては一時保存としてのメモリーカードだったのが、徐々に永久保存用の記録媒体として移行してゆくのです。「いつの間にかメモリーカードの初期化(フォーマット)をしなくなったな」程度にしか気づいていない方も多いかもしれませんが、既に、多くの人がDVDと同じように永久保存用として使うようになってきているのです。 現在は、わずか40分しか記録できない4GBのSDHCカードが2万円近くもします。当面は、いくら大切な映像であったとしても、他の記録媒体に移して、SDHCカードを初期化して再使用することになるでしょう。しかし、今後、低価格化と高容量化が進めば、ビデオカメラで撮ったSDHCカードを、そのままの形で永久保存したり、万が一の為に同容量のSDHCカードにバックアップするといった使い方まで進展してゆくのではないかと想像できるのです。 そうなると、Blu-rayとの競合の可能性も出てきます。既に半導体もBlu-rayも平面上の記録密度には限界が見えてきており、今後の飛躍的な高容量化には多層化が重要になります。しかし、いづれの場合も何らかの技術的な突破口が無ければ飛躍できません。もし、SDHCがいち早く突破口を開けば、映像記録でSDHCだけが残るストーリーになる場合だってありえるのですが、少々、期待しすぎな話しですので、現実から遠のいてしまっているかもしれません。自然な流れとしては、VHS→DVD→Blu-rayと来た後、その次の世代に半導体記録メディアとなるでしょう。 ※本節の内容は、完全にボク個人の見解です。SDHCと競合する商品群の一部の機能を否定する表現もありますが、SDHCとの比較した場合の部分的な問題点を指摘しているに過ぎず、商品そのものを否定しているものではありません。また、記載した内容は全て予想に過ぎません。変化の激しい業界であり、必ずしも正しい内容であるとは限らないため、必ず、ご自身の判断基準で内容を捉えて下さい。 また、明らかに不適切な内容については、掲示板やメールにて指摘いただければ修正を検討いたします。 |
Panasonic HDC-SD1とCanon iVIS HV10について、AVCHD方式とHDV方式以外の違いをまとめてみました。
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