現在、ZigBeeで用いられているIEEE 802.15.4規格やBluetooth(IEEE 802.15.1)に準拠した無線方式リモコンがBRAVIAやAQUOSの一部の機種で使われています。従来の赤外線リモコン方式と比較して、リモコンをテレビに向けることなく操作できるので、テーブルの上に置いたままの操作が可能になります。 また、パナソニックやソニー等がZigBee AllianceとともにRadio Frequency for Consumer Electronics (RF4CE)規格を策定し、無線方式を統一化しようとしています。 |
ZigBeeとはZigBeeアライアンスが定めた無線通信方式の規格です。主に以下のような特徴があります。
ZigBeeには3種類の機器(Device Type)があります。中でも特徴的なのが「ZigBee Router」と呼ばれる「フル機能デバイス」による通信の中継と、低消費電力で動作可能な「ZigBee End Device」です。「ZigBee Router」は「ZigBee End Device」に情報を中継する際に、情報を一時的にバッファとして保存します。保存した情報は、「ZigBee End Device」が通信可能な状態になってから伝達します。このため、「ZigBee Router」の傘下の「ZigBee End Device」は、常時通信が不要となり、通信を行っていない間は動作を停止することが出来るようになります。したがって、「ZigBee End Device」は必要な時以外の通信を行わないため、長時間にわたって平均した消費電力を著しく削減できるので、バッテリーによる駆動が可能となっています。 「ZigBee Coordinator」は、一つのネットワーク(PAN)に必ず1台が存在し、ネットワークを構築する機能を有する唯一の機器です。また、「ZigBee Router」の機能も備えています。
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ZigBeeは2004年12月にZigBee 2004(Ver 1.0)仕様として仕様策定され、2006年12月にZigBee 2006、そして2007年10月にZigBee 2007/PROが策定されました。 ZigBee 2006ではZCL(ZigBee Cluster Library クラスタライブラリ)がサポートされました。ZCLは、例えば照明をOn/Offするといった基本アプリケーションを実現するための標準ライブラリです。ZCLを持たないZigBee 2004とは互換性がありません。 ZigBee 2007ではZigBee PROがサポートされました。PROでは通信の信頼性や効率性、秘匿性などを2006よりも向上させています。 現在のところ、単にZigBeeと呼ぶとZigBee 2007で定義されたZigBee PRO仕様であることが多いようですので、当サイトでも単にZigBeeと記載したものはZigBee PROを指すものとします。
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ZigBee RF4CEとはZigBeeアライアンスが定めた無線リモコンの通信規格です。まず、ZigBeeとZigBee RF4CEは異なる規格であることに注意しなければなりません。ZigBee RF4CEはZigBeeとの親和性を考慮しているものの、リモコンによる機器の制御に特化しており、実現する機能が異なっているからです。 親和性の点ではハードウェアにZigBeeと共通のIEEE 802.15.4が用いられています。したがって、従来のZigBeeモジュールをRF4CE対応することは比較的容易です。しかし、リモコン用としては、ZigBee RF4CEのほうが安価です。
ZigBee RF4CEでは、Controllerがリモコンで、Targetはリモコンを受信する被制御機器を示します。被制御機器(Target)は通常のZigBee規格のCoodinatorのように作用しますが、Coodinatorだと一つのネットワーク(PAN)に1台しか存在しないのに対し、被制御機器(Target)は複数台を一つのネットワークに参加させることが出来ます。このことで被制御機器(Target)であるテレビとBlu-rayレコーダーを同じネットワークとして、一つのリモコン(Controller)から操作することが可能になります。また、一つのリモコン(Controller)が複数のネットワーク(PAN)に接続することも可能で、一つのマルチ機能リモコン(Controller)で複数のネットワークの機器を操作することも可能です。 また、ZigBee規格ではCoordinatorやRouterの省電力動作が出来ないのに対し、ZigBee RF4CEでは被制御機器(Target)とリモコン(Controller)の両方が低消費電力で待機することが可能です。 このように同じZigBee規格でありながらネットワーク規格が異なっています。ZigBeeとRF4CEで共通な部分は、無線通信を行うPHY層(物理層)とMAC層(メディアアクセス制御層)にIEEE 802.15.4という規格を使用することです。 |
ZigBeeやZigBee RF4CEにはプロファイルという概念があります。前述のZCLは基本アプリケーションを実現するための標準ライブラリでした。こういったZCLを集めて、より大きなアプリケーションを実現するための仕様がプロファイルです。したがって、プロファイルには、使用するZCLやZCLの使い方が規定されています。 ZigBeeアライアンスは、以下の一例をはじめ、様々なZigBeeプロファイル仕様を策定中です。
ZigBee RF4CE用にはZigBee Remote Control / CERC(Consumer Electronics Remote Control)と呼ばれるリモコン用のプロファイルが定義されています。管理コマンドには、デバイスの検索や追加をしたり、暗号化キーを交換したり、PINGを交換するコマンドが含まれています。また、Remote Control / CERCプロファイル内に各メーカー独自の操作信号を定義したり、さらに各メーカー独自のプロファイルを定義することも出来るようになっています。 |
本来のZigBeeについては、ZigBeeモジュールが登場していますが、ZigBee RF4CEについては、あまり情報がありません。このため、現状はZigBeeの仕様書を読んでゆくことや、Digi社のZigBeeモジュール「XBee ZB」などを使った実験くらいしか出来ません。ただし、XBee ZBは、RF4CEに対応していません。 ZigBee仕様書はZigBee Allianceのサイトからダウンロードできますが、ページ数が多くて難解です。ZigBee仕様の要点については、Digi社のZigBeeモジュールの仕様書に分かりやすく簡潔にまとめられています。20ページくらいしかないので、まずは、そちらを読むのが良いと思います。(製品を購入しなくてもダウンロードできます)
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パソコン用とH8マイコン用の2種類のXBee制御ライブラリを作成しましたので、ソースコードを含めて提供しています。 これらのXBee制御ライブラリ「ZB Coordinator」は、USBやRS-232CでXBeeモジュールを接続したパソコンもしくは、UARTやRS-232CでXBeeモジュールを接続したH8マイコンから、他のXBeeモジュールを制御するためのライブラリとサンプルアプリケーションプログラムです。H8に接続した側から単体側のGPIOを制御することが出来ます。 下図の構成図では、右側にXBee制御ライブラリ「ZB Coordinator」が動作するH8マイコンが接続されているので、このH8マイコンから、左側の単体XBeeモジュールのGPIOを制御することが出来ます。 パソコン用の構成図 H8マイコン用の構成図 XBee制御ライブラリ「ZB Coordinator」にはGPIOを簡単に制御するためのAPIと、サンプルアプリケーションが含まれていますので、それらを参考にプログラムを書き換えて使っていただけます。 ソフトウェアは下記からダウンロードして使用してください。RF4CEではないので、無線リモコンの実験用と考えてください。
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方式編 - 赤外線リモコン 赤外線方式リモコン 家製協 NEC SIRC 方式編 - ZigBee方式 XBee Digi XBeeモジュール AT Coordinator 方式編 - リモコン 赤外線リモコン 家製協 方式編 - 変調方式 ASK,BPSK,QPSK,QAM,IQ平面,直交変調 |