7セグメントとは地上デジタル放送のワンセグとは無関係で、7区画の素子で数字を表す表示です。デジタル時計や電卓のデジタルの数字といえば7セグメント表示が一般的です。 上の写真が2桁の7セグメント表示器で、1つの数字に7区画のセグメントLEDを使用して表示しています。数字に7個のセグメントLEDと、小数点にも1セグメントが用いられているので、1桁につき8セグメントのLEDを使用しています。 7セグメントLEDは、かつてのデジタル表示や電子工作で良く使われましたが、最近は液晶が増えてきて、あまり使われなくなってきています。電子工作では8文字の数字や文字、カナ表示が可能なキャラクタ液晶が良く使われます。7セグメントLEDよりも配線数が少なく、表現力も高く、しかもバックライトなしの8文字キャラクタ液晶だと1台300円ほどの価格ですので、7セグメントLEDを使うメリットが見出せません。 そこで、7セグメントLEDを活用するために、キャラクタ液晶の出来ないところを狙うことにしました。ここでは、電圧入力をデジタルに変換するアナログ入力、7セグメントLED単体の大きさとほぼ同じ小型モジュール、キャラクタ液晶と変わらない価格の3つの特長をもつ「小型7セグメントLEDモジュールの製作方法」を紹介します。 下表は今回作成する7セグメント表示モジュールと市販の8文字のキャラクタ液晶との比較表です。
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ここでは簡単に作れる小型7セグメント表示モジュールの制作方法を紹介します。この表示モジュールは、アナログの電圧入力に比例した(1)電圧表示、(2)レベルメータ表示、(3)百分率の数字、(4)HEX表示が行えます。これらの表示は、7セグメントLEDと基板の間に挟み込んだPICマイコンとソフトウェアによって実現されます。 この7セグメント表示モジュールの製作に必要な部品は以下のとおりです。価格は1モジュールを製作するための使用数分の数割りの参考価格です。
※ピンコンパチ品:A-552SRD(PALA LIGHT) A-552SR(PALA LIGHT) ELD512(EVERLIGHT) SL-9262(SANYO) HDSP-K211K(HP) まず、モジュールのハードの製作から行います。準備しなければならない部品は、下表の主要部品に書かれた部品と、エナメル線などです。両面基板に、ピンヘッダ、マイコンを実装し、マイコンを挟み込むように7セグメントLEDを実装します。つまり、製作図の10番目にあるように、最下層のピンヘッダから順に、基板、マイコン、7セグLEDが重ねられたサンドイッチ構造にします。
上図のとおりに配線した場合の6ピンヘッダの役割を下表に示します。なお1番ピンは基板端に近いほうです。PICkit2を接続する場合は、PICkit2本体の表裏が表示に対して反対向きになるので御注意ください。 製作したモジュールは下表のような接続端子を持ち、下図のような回路で動作します。アナログ入力が負になったり電源電圧を上回る場合はダイオードで保護する必要があります。
なお、回路の都合(ダイナミック点灯とLEDドライバ無し)のために、やや暗めの表示になります。チップ抵抗の680Ωを470Ωにすると、若干、輝度が上がります。PICマイコンの寿命を考えなければ220Ωにするとこで明るい表示が行えるようになります。 |
ここで製作する7セグメント表示モジュールには複数のモードがあります。MODEキー(モジュールのピン1)を押す(LレベルしてHレベルに戻す)たびに表示モードが変わります。下表に各モードの説明を示します。
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モジュールが完成したらPICkit2に付属の書き込みソフトウェア「PICkit2 PROGRAMMER」を使ってPICに書き込みます。ZIPファイル(7seg.zip)をダウンロードして解凍するとHEXファイルが入っていますので、「PICkit2 PROGRAMMER」のメニューバーにある「File」メニューの「Import Hex」を選択して、ダウンロードして解凍したHEXファイルを読み込ます。そして、PICkit2をモジュールのピンヘッダに差し込み、PICkit2 PROGRAMMERのウィンドウ内の「Write」ボタンを押す(または「Programmer」メニューの「Write Device」を選択する)とPIC16F688にソフトウェアを書き込むことが出来ます。
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さらにPIC 16F88とOSL40562-IGを用いた4桁表示可能な7セグ表示モジュールを製作しました。OSL40562-IGはダイナミック点灯表示用の配線済の12ピンのLED表示器です。 ダイナミック点灯とは4桁を同時に表示するのではなく、1桁ずつの表示を高速に切り替える表示方法です。同時表示に比べて輝度が低下する欠点がありますが、PICへの接続数が少なくて済みます。 本7セグメントLEDモジュールには高輝度タイプのLEDが使用されているので、少ない電流でも適度な(実用的な)輝度が確保できます。(予めダイナミック点灯を考慮した設計になっている)
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ラトルズから出版されている「プリント基板で作るPIC応用装置」を使えば、4桁表示の7セグメント表示のハードウェアを容易に製作することが出来ます。7セグメントの配線の本数が多いので、4個分の7セグメントの配線作業を簡略化できるメリットがあります。 ラトルズ 数字表示装置 (「プリント基板で作るPIC応用装置」から) 本誌に付属の基板を使って数字表示装置を製作し、本誌記載のソフトウェアのソースのmain関数を下記のように変更するとこで電圧計(入力電圧は1/3に分圧してAN6へ入力する)として使用することが出来ます。
電圧として使用した場合の写真を下図に示します。基板の左側に取り付けたのは多回転半固定抵抗で、電圧を1/3に分圧してAN6入力しています。また、PICは5Vを給電しているので、0〜15Vの範囲の電圧を測定できます。 ラトルズ 数字表示装置を電圧計として使用 ラトルズの「プリント基板で作るPIC応用装置」に関する情報は下記も参照してください。
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下の表に7セグメント表示のサンプルを示します。かつては下記と異なる表現のものがありましたが、現在では数字の7セグメント表示については、ほぼ統一されています。
下記はアルファベットの7セグメント表示です。こちらは様々な表現方法があります。おおむね、読みやすさを重視する場合と、他の数字や文字と同じ表現を避ける場合とがあります。下記は後者を元にした表示例です。C、E、G、Uは小文字でも表現できますし、h、i、o,xは大文字で表現する場合もあり、さらに、Sは数字の5と同じ表現にすることで読みやすくする場合もあります。
上記のアルファベットを使わずに単語表示する場合もあります。単語表示の場合は読みやすさが重視されるので、数字や他の文字と同じ表現になっても、差し支えない場合が多いからです。
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